3.塗料について
最近の塗料事情
最近の塗料メーカーは競争が激化しています。外資系塗料会社、日本のベンチャー企業が次々と塗料業界に参入しています。新たな塗料が次々と発売されており、その速さには驚きます。
外壁工事をするにあたり、数多くの塗料から選択が出来るようになったことはお客様にとってメリットである反面、種類が多すぎて迷うこともあるかと思います。
一方でこんな悩みも
お見積もり時にお客様からよく頂く質問です。
『これは新しく出た高機能塗料です。通常使う塗料でも悪い訳では無いんですが、こちらは耐久年数、遮熱効果が優れていてお勧めです。性能が高いので少しお値段が上がってしまうんですけど…』って他の業者さんは言うんだけど、実のところどうなのかしら?こんな質問をよく伺います。
わたしの考え
もちろん優れた機能を発揮し、耐久性が増すことで綺麗な状態が長持ちすることは素晴らしいことだと思います。しかしいわゆるグレードの高い塗料を選ぶことが必ずしも正解とも言えないと私は考えます。遮熱塗料(太陽光を反射し室内の温度上昇を抑える塗料)を例としてあげます。
私の経験上、遮熱塗料をお考えであれば外壁ではなく屋根におすすめしています。理由としては【窓】です。何故でしょう。夏の暑い日差しが届くのはそう、外壁だけでなく【窓】もですよね。外壁に遮熱塗料を塗り太陽光を反射しても、窓から日差しがどんどん差し込みます。すだれやで洋風住宅にあうシェードなどで日差しを遮るほうが個人的には暑さ対策になるのかなと感じています。
一方で屋根の場合、屋根材や家の構造により遮熱塗料に効果を感じやすい家はあります。屋根は絶えず直射日光が当たりやけどをするほど高温です。遮熱塗料を使うと夏場の屋根の表面温度を平均8℃~10℃下げる効果があります(環境省調べ)これにより室内の温度上昇を抑える効果はある程度期待できるのではと思います。また太陽光を反射してしまうので冬場は室温が上がりにくいというデメリットもあります。
このように大切なのはお客様のご要望をしっかりと汲み、メリットとデメリットも全てお話したうえで、プロの目で一軒一軒に適した塗料をご提案すること尽きると思っています。