10年間塗料の耐久性を比較しました
5種類の塗料で実験

「外壁塗装に使う塗料っていろいろあるけど、本当にメーカーさんが言うとおりの能力をもってるのかな~」という塗料メーカー泣かせの素朴な疑問を解決すべく、実験期間のながそうな実験を始めました。10年かかったりして~(^^)(※2009年当時の実験です)
千葉県佐倉市にある当社の資材置き場に、塗料研究用壁面製作しました。塗料の樹脂別耐久性や耐候性、汚れ、カビ等の発生を調べる為の壁面です。
設置手順
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南向き面は、汚れ、塗膜の耐久性、耐候性を主に調べる壁面です。壁面素材は家の外壁で最も普及しているサイディングを使用しました。家の外壁よりも過酷な状況とするため、壁面は日光や、雨風によくさらされるように、斜めに設置しました。
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北向き面は、カビ、藻、コケ等の発生を主に調べる壁面です。こちらも南向き面と同じ理由で、素材はサイディング、設置方法は斜めに設置しました。
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通常サイディング材にはシーラーという透明な下塗り材を使用しますが、写真では確認が不可能なので、今回は、フィーラーという下塗り材を使用しました。北面は素地を残したかったので、素地部分を残してフィーラーを塗りました。
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北面は素地を残したかったので、素地部分を残してフィーラーを塗りました。
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南向き面は、マスキングテープで、壁を5つのセクションに分け、それぞれ違う塗料を塗装しました。北向き面は素地を含み、4つのセクションに分けました。塗料は全て防カビ材入りです。
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塗料は高価な物から、かなり安価な物まで揃えました。比較的高価と言われる塗料が高い機能を発揮するのか、安価な物がどの程度の能力があるのか見ものです。また、メーカーによる能力の違いも見逃せません!
おそらくながーい期間の実験になるので、お付き合いお願いします。
塗装耐久テスト半年後
メーカー別耐久テストを行っています。
さて、半年後の外壁塗装の実験経過報告です。壁面への塗装を施してから約6ヶ月。塗膜や壁面に影響が出ているか調べてみました。
┃南側サイディング全体
現在の南側全体の様子です。下記に現在の経過を樹脂ごとにしていきます。

南側アクリル【M1】

変化はそれ程見られませんでした。汚れもほとんど付いていません。塗膜の光沢も保たれていました。アクリルとは言え、さすがに6ヶ月では問題は見られませんでした。
南側ウレタン【M2】

まったく問題ありませんでした。
を約半年前に塗装しました。下記に現在の経過を樹脂ごとにしていきます。
南側シリコン【M3】

まったく問題ありませんでした。
南側フッ素【M4】

まったく問題ありませんでした。
南側光触媒【M5】

まったく問題ありませんでした。
┃北側サイディング全体
現在の北側全体の様子です。下記に一つ一つのご報告をします。

北側アクリル【K1】

砂埃らしき汚れがつき始めていました。カビ、コケ等の付着は確認出来ませんでした。
北側シリコン【K2】

まったく問題ありませんでした。
北側光触媒【K3】

まったく問題ありませんでした。
【考察】
半年と言う事もあり、全体的に塗膜の光沢の保持率、防汚機能、防カビ機能はほとんど半年前と変わらない状態でした。ですが、北側のアクリルに関しては多少砂埃らしきほこりが付いていたのが先々どうなっていくのか気になる所です。
アクリルには浸水機能が付いていないので、その影響が考えられます。(※浸水機能とは、壁面に水をなじませることにより、汚れを浮かせて流す機能です。最も効果が高いと言われているのが光触媒です。)
時間のかかる実験ですが、また時間を置いてご報告しますので、お付き合い下さい。またお会いしましょう!
塗料耐久テスト1年後
メーカー別耐久テストを行っています。
さて、外壁塗装の実験経過報告です。壁面への塗装を施してから約1年。塗膜や壁面に影響が出ているか調べてみました。
┃南側サイディング全体

現在の南側全体の様子です。全体的に、まったく変化なしでした!南側のアクリルは変化があると思っていたのですが…。なぜ変化がなかったのか?南側は日当たりが良く、太陽の紫外線により、藻、カビの繁殖が抑えられています。
ですが、南側でも、太陽が当らない場所は藻が生えますので、注意が必要です。
┃北側サイディング全体

現在の北側全体の様子です。下記に一つ一つのご報告をします。
素地の何も塗らない状態(一番左)では、やはり、藻、カビの繁殖がみられますね。
北側アクリル【K1】

はっきりと藻、カビらしきものが確認できました。
A社のアクリル塗料には、防藻、防カビ機能が無いために付着したようです。
壁に藻、カビ等付いた場合、塗膜の劣化を進行させてしまいます。
北側に使う塗料は、しっかりと防藻、防カビ機能が付加された塗料を使う事が大事です。
北側シリコン【K2】

変化なし。
北側光触媒【K3】

変化なし。
【考察】
南側と北側では、やはり北側のダメージが大きいですね。北側は太陽があたらないので湿気などで劣化の進行が見られます。「何も塗らない」という選択肢はなしですね。シリコン、光触媒が優勢ですね。みなさんも参考にしてみてください。
塗装耐久テスト 1年半後
メーカー別耐久テストを行っています。
さて、外壁塗装の実験経過報告です。壁面への塗装を施してから約1年半が経過しました。
┃南側サイディング全体

南側は全体的に色あせもなく汚れもついていない状態、つやもあります。
南側アクリル【M1】

大きな変化はありません。
南側ウレタン【M2】

大きな変化はありません。
南側シリコン【M3】

大きな変化はありません。
南側フッ素【M4】

大きな変化はありません。
南側光触媒【M5】

光触媒に関してだけは、ほこりさえもついていません。目地にも砂埃などもついていません。これは雨が降って汚れを洗い流すセルフクリーニング機能のおかげでしょうね。
┃北側サイディング全体

とうとう大きな変化が現れ出しました。北側の壁は、やはり不利な状態になるんですね。

素地はやはり何もしてないことで、藻やカビ等が生えています。何も塗装しないということの怖さを実感です。
北側アクリル【K1】
防カビ材入りにもかかわらず、見た目にこれだけ発生しています。一年で変化し始めたのがこのアクリル樹脂でした。進行が早いです。
北側シリコン【K2】

ほとんどカビの発生もなく、南面同様きれいです。
北側光触媒【K3】

今回はテストのためグレードが一番下のものを使用しました。過酷すぎる条件に加えランクの問題もあり、カビの発生が少しみられます。ですが、セルフクリーニング機能により、砂埃などはついていません。当社はこのグレードよりランクの高いものしか、お勧めしていませんのでご安心ください。
【考察】
お引渡し後、1年半くらい経過すると、北側に多少の汚れが確認できるお宅もあるということがわかりました。アクリルは、厳しいですね。引き続きお付き合いください。またお会いしましょう。
塗装耐久テスト6年後
メーカー別耐久テストを行っています。
さて、壁面への塗装を施してから約6年。塗膜や壁面に影響が出ているか調べてみました。
┃南側サイディング全体

前回からは4年経過していますがそれぞれ大きな変化は見られませんでした。
(終)塗装耐久テスト11年後
メーカー別耐久テストを行っています。上記写真は、2009年1月29日のものです。
さて、壁面への塗装を施してから約11年。塗膜や壁面に影響が出ているか調べてみました。
南側サイディング全体

壁面への塗装を施しおよそ11年が経過しました。前回と比べて何かが違うような、、!?
そうです。去る2019年台風15号が直撃。
猛烈な風で私の大事な研究道具が吹き飛んでしまいコンパクトなサイズになりました!まさに雨風に晒される過酷な環境です。台風を乗り超えた下半分の壁面を見てみましょう。
【考察】
・前回よりアクリル シリコンの汚れが目立ちチョーキング現象も見られています。
※チョーキング現象:紫外線などの原因によって塗膜が劣化し、塗料に含まれている顔料がチョークのような粉になって表面に浮き出る現象
・セルフクリーニング機能のある光触媒ですが汚れが多少目立ち始めました。
(今回は光触媒のなかでもグレードが一番下のものを実験で使用していますので、もちろん全ての光触媒塗料に言えることではありません)
・フッ素については若干の汚れはあるものの、チョーキング現象はなく艶が保たれています。
11年経過後も塗膜がしっかりとしていました。
10年以上経過し各塗料の変化が見られた為、これにて塗料耐久比較テストを終わります。
【塗料耐久比較テストまとめ】
2009年の実験開始からお付き合い頂き有難うございました。
今回の実験場所は屋根も無く、壁面は日光や雨風にさらされていますので一般的な住宅より過酷な環境でのものです。
あくまで塗料別に変化を比較をしたものですので、何年耐久性があるといった実験ではありません。
全体を見てフッ素塗料の劣化が少なく、塗膜も良く持ち堪えていると感じました。また、およそ10年前に実験を開始し現在まで経過を観察しているなか、塗料メーカーの競争が激化しその結果、塗料材の目覚ましい進化も目の当たりにしてきました。
約10年間の実験中に、コストパフォーマンスと機能を兼ね備えた塗料がいくつも発売されました。今回はこのような結果になりましたが日進月歩する塗料の知識を深めこれからも尽力していこうと思います。
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