パミールとは|特徴・劣化症状・塗装できるかを分かりやすく解説
目次
「屋根点検で『パミール』と言われたけれど、どんな屋根材なの?」
「屋根塗装ではなく、屋根カバー工法を勧められたけれど、本当に必要なの?」
このようなお悩みから、初めてご自宅の屋根材について調べ始める方も少なくありません。
パミールは、1990年代後半から2000年代にかけて多くの住宅で採用されたノンアスベスト屋根材の一つです。現在では築20年以上が経過し、屋根のメンテナンスをご検討されるタイミングで「パミールだった」と分かるケースも少なくありません。
この記事では、パミールの特徴や代表的な劣化症状、塗装や屋根カバー工法を検討する際の考え方について、施工店の視点から分かりやすく解説します。
パミールとは
パミールは、ニチハ株式会社が販売していた化粧スレート屋根材です。
1996年に「完全無石綿(ノンアスベスト)」屋根材として発売され、2008年頃まで販売されました。当時はアスベストを使用しない建材への切り替えが進められており、パミールもその流れの中で誕生した屋根材です。
現在では築20~30年前後のお住まいで使用されていることがあり、屋根塗装や屋根リフォームをご検討されるタイミングで、「自宅の屋根がパミールだった」と初めて知る方も少なくありません。
一方で、同じパミールでも劣化の進み方は住宅によって異なります。
日当たりや方角、周辺環境、これまでのメンテナンス状況などによって状態は変わるため、「パミールだから必ず同じ状態になる」とは言えません。
そのため、屋根材の名前だけで工事方法を決めるのではなく、現在の屋根の状態を確認したうえで判断することが大切です。
また、パミールは一般的な化粧スレート屋根とよく似た形状をしているため、見た目だけで正確に判断することは難しい屋根材です。
実際には、建築時の図面や仕様書、築年数、屋根材の形状、劣化状況などを総合的に確認しながら判断しています。
建築時の図面や仕様書が残っている場合は、屋根材の商品名が記載されていることがありますので、一度確認してみることをおすすめします。
資料が残っていない場合でも、屋根の形状や築年数、劣化の特徴などから判断できるケースがあります。

パミールに見られる表面のはがれ
パミールでは、一般的な化粧スレート屋根にも見られるひび割れや欠けに加え、「層間剥離(そうかんはくり)」と呼ばれる特徴的な症状が見られることがあります。
層間剥離とは、屋根材の表面が薄い層になって、ミルフィーユのようにはがれていく症状です。



初期の段階では、一部がめくれている程度に見えることもありますが、経年とともに剥離する範囲が広がるケースがあります。
屋根材そのものが傷んでいる状態のため、見た目だけでは劣化の程度を判断することが難しい場合もあります。
また、層間剥離が進行すると、屋根材の強度が低下し、ひび割れや欠けなどほかの劣化症状につながることがあります。そのため、塗料を塗る土台となる屋根材の状態を確認することが重要です。
パミールには、表面のはがれのほか、ひび割れや欠け、反りなどが見られることもあります。劣化の程度は屋根によって異なるため、屋根全体の状態を確認することが大切です。
パミールは塗装できる?
「屋根塗装を予定していましたが、パミールでも塗装できますか?」
これは、現地調査でもよくいただくご質問です。
インターネットでは「パミールは塗装できない」と紹介されることがあります。
塗料を塗ること自体はできても、層間剥離など屋根材そのものの劣化が進んでいる場合、塗装では傷みを直すことができません。そのため、十分な保護効果や耐久性が期待できないケースがあります。
例えば、
- 表面のはがれが広い範囲に見られる
- ひび割れや欠けが多い
- 屋根材の傷みが進んでいる
- 反りや浮きが見られる
このような場合は、塗装で保護することが難しいため、屋根カバー工法も含めて検討することがあります。
現地調査では、
- 屋根材の種類
- 表面のはがれやひび割れ
- 欠けや反りの状態
- 屋根全体の傷み方
などを確認し、撮影した写真をご覧いただきながら、現在の状態をご説明しています。
そのうえで、
「まだ塗装によるメンテナンスが可能なのか」
「なぜ屋根カバー工法をご提案するのか」
それぞれの方法のメリットや注意点をご説明し、お客様のご希望や今後どのくらいお住まいになる予定かも伺いながら、現在の屋根に合った方法をご提案しています。
屋根カバー工法をご提案した事例
実際にファースト・リフォームで現地調査を行ったお住まいでは、屋根全体の状態を確認した結果、パミール特有の劣化症状が見られました。
また、屋根材の表面にはがれや欠けなどの傷みが見られ、塗装だけでは十分な保護効果が期待できないと判断したため、現在の屋根の状態を写真とあわせてご説明し、屋根カバー工法をご提案しました。
施工事例では、工事の流れや仕上がりについて詳しくご紹介しています。
よくある質問
Q. パミールはいつ頃使われていた屋根材ですか?
パミールは1996年から2008年頃まで販売されていたノンアスベスト屋根材です。
そのため、1990年代後半から2000年代に建築された住宅で使用されているケースがあります。
Q. 自宅がパミールかどうか確認できますか?
建築時の図面や仕様書に屋根材の商品名が記載されている場合があります。確認できない場合でも、屋根材の形状や築年数、劣化状況などを総合的に確認しながら判断しています。
Q. パミールは必ず屋根カバー工法になりますか?
必ず屋根カバー工法になるわけではありません。屋根材の劣化状況や屋根全体の状態、お客様のご希望などを確認したうえで、適切なメンテナンス方法をご提案しています。
まとめ
パミールは、1996年から2008年頃まで販売されていたノンアスベスト屋根材です。築20年以上が経過した住宅では、層間剥離(そうかんはくり)をはじめ、ひび割れや欠けなどの劣化が見られることがあります。
ファースト・リフォームでは、現地調査の際に屋根材の種類だけでなく、表面のはがれやひび割れ、欠けなど、屋根全体の劣化状況を確認しています。撮影した写真をご覧いただきながら、現在の状態を分かりやすくご説明しています。
「本当に屋根カバー工法が必要なのだろうか。」
「自宅の屋根は、まだ塗装でメンテナンスできる状態なのだろうか。」
このようなお悩みがありましたら、まずは現在の屋根の状態を確認し、お住まいに合ったメンテナンス方法を一緒に考えてみませんか。
この記事の監修者
ファースト・リフォーム代表 志田雄一郎
一級塗装技能士・増改築相談員
外壁・屋根塗装の現地調査から施工管理まで一貫して担当しています。

